ジオコレが始まったのは、20年近く前に遡ります。
その時空には参加していないので、極初期の状況は分かりません。私が参画したのは、少し時間が経ってからの初期位でしょうか。
20年程度前に食玩ブームがありました。
今でも細々と展開されている食玩もありますが、全体的にすっかり下火になっています。理由は幾つか考えられます。第一に値段が高くなった事です。
当時は中国で安く大量に生産された物がありました。今でも同じように受け止める人も多いのでしょうが、事情はかなり変わってしまっています。昔のようなコストでは、到底供給出来ないのです。
中国の経済成長は急激に進んでいます。今でこそ、年率1桁になっていますけど、昔は二桁ありました。その流れを時間経過で計算すると爆上げだと分かるでしょう。
そのため、昔と今を比べると生産コストは2倍位に上がっています。
一方、日本は全く成長していないというか、むしろ実質マイナスになっています。
経済格差が広がるから、仕入れが高いことや購買者が減るというダブルパンチです。そうなれば、安価な食玩などは淘汰されてしまうのです。
話をジオコレなどの模型に向けてみましょう。
多くの中国生産品は、食玩と同じように高コストにシフトしました。これらをストレートに価格に反映すると売れなくなります。したがって、多くのメーカーは利益を削って対応しないとなりません。値上げするのは簡単でも、売れ数が落ちれば死活問題になります。
今も、こんな状況は進行しています。
プラモデルなども同じですね。前は3000円位だったものが、今では6000円以上が普通になってしまいました。(国内生産している物はもう少し穏やかな値上げで済んでいます)
輸入品は元々数が少ないため、利益圧縮は殆ど出来ないでしょう。そのため、ストレートに2倍くらいの価格上昇が起きています。
ジオコレ極初期の製品は、バスコレや街コレです。
当時は食玩ブームで、それらの流れに乗ることが出来ました。それ故か、当て物(中身の分からないパッケージ)で発売されています。
この辺りの経緯は、当方存じ上げません。
また、食玩ブーム故に生産数は非常に多かったのが印象的です。
逆の見方をすると、その後急速に生産数が減るため、さらなるコスト上昇に悩むことになるのです。
安くて手軽な製品の路線がブレて、落としどころが難しい。
製品の開発や展開、営業戦略も悩ましくなる訳です。
また、別の事情として中国が近代化している点も見逃せません。
過去の日本と同じように、3K(汚い、臭い、キツイ)仕事は敬遠されます。もちろん、給料が高ければ違うのでしょうが、寧ろ安いでしょうから業界は淘汰される。
これらは更にコストが上がる事や、生産工場が無くなることを意味しています。
そんなことを勘案すると、今度はベトナムなどへの工場シフトが取り沙汰されてきます。しかし、そんなに簡単には進められない。モノづくりというのは、諸々時間や条件が必要なのです。