2024年5月31日金曜日

鉄道模型のストラクチャー塗装 無難な配色やポイントなどの考察

仕事柄、ストラクチャーの塗装は沢山熟しました。

原型の複製品を製作したり、金型のある製品の色替えマスターを作るなどの仕事です。

これらを通して、塗装の配色などを考えたり納得したお話など。


鉄道模型の主力は1/150scale のNゲージです。

電車はもちろん、建物なども比較的小さくて扱いやすい。走らせるためのレイアウトなども、コンパクトに収まります。(凝ると大きくなりますが)

そんなスケールの建物は、レイアウトの一部として使われます。


小さな模型なので、レイアウト含めて人の目線は上からの俯瞰です。

真横から見ることもあるでしょうが、それなりに限定的になります。

従って、塗装の肝は屋根です。


屋根には幾つかの種類(材質)があります。瓦、トタン、藁、コロニアルなどです。

種類によって色は違いますし、それなりに制約もあります。

例えば瓦屋根は、色的に黒系が基本です。グレーや茶色系もある。

また、日本瓦でなくて洋瓦だと、青やオレンジなどもある。


並べた建物群は、通常一貫性がない筈です。各建物が個別に色を決めているから、自ずとそうなるのです。海外などの統一された街並みは除いて。

そうなると、全部赤系とか、黒ばかり並べるのは違和感が出てしまいます。上手くバランスを取って配色しないとなりません。


平面的な屋根をベタ塗してはいけません。

それらが並んだ時に、綺麗過ぎるのです。特に古い建物のイメージであれば、汚れが必要になります。

汚し塗装というと、全体的な埃っぱさがイメージされます。

もちろん、それも大事なのですが肝は不均一性にあります。

平面の間を持たせるには、色ムラやシミのような汚れが必要です。


汚し系の塗装の再現(量産)は難しいです。

マスター品は問題なくても、量産する時に再現できるとは限りません。

工場側で上手く解釈して、再現されることを期待しつつガッカリすることもありました。

仕方ないことですが、作業者のスキルなどで左右されてしまいます。





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