模型の製作をしていると、塗装は避けられません。
昨今は色付きの多色成型などもあるし、墨入れだけで好い人もあるでしょうか。
色々と気になる人もいるらしいので、私なりの知見を書いておきます。
塗装の臭い
有機溶剤を含む塗料を使うと、強い刺激臭があります。
特にエアブラシで吹くと、部屋中が臭くなる。
排気ブースを備えても臭いは残ります。臭いの粒子は細かく、即拡散するから排気ブースでは追いつかないでしょう。
この臭いは刺激が強いので、体に悪いと感じます。
でも、実際はそれほどの害悪はありません。
厄介なのは、臭いで頭が痛くなる等のアレルギー的な反応が出る場合です。
溶剤の直接的な有害性とは別に、個人差の大きな問題です。
この点は無視できないでしょう。
鼻と口を覆うマスクが市販されています。
私は普通の不織布マスクを使っていますが、当然臭いは防げません。
ある程度のミストが止まれば良いと考えているから、そのレベルには達しているでしょう。
有毒性が気になる人は、防毒マスク的なものを使うかも知れません。
以前、防毒マスクを使ったことがあります。
しかし、あれはコストはもちろんですが、多少の臭いはします。
顔と密着するので、ラバー的なものを強く押し付ける不快感が強いです。
夏は汗も気になるし、そもそも息がかなり苦しくなります。
臭いが強いから危険と考えるのは妥当です。
けれども、実際にはそこまで恐れるものでもない。
大量に使う職業の方は別でしょうが、個人でちょっと模型などを組む位は危惧するものではないと思います。
どちらかと言えば、上で書いたようにミストの吸い込みの方が悪いかと。
塗装のミスト
普通の人はミストには着目しないかも知れません。
でも、空気中に吹いた塗料が微細な粒子として漂い、それを肺に吸い込むのは良くない。
非常に細かくなれば、PM2.5 みたいなものです。
もちろん、このミストも職業病的な多量の吸い込みは発生しないでしょう。
一応の対策を推奨したいところですが、気にしない人も多いかと思います。
何年か前に、エアコンの調子が悪くなったことがあります。
故障かと思って掃除をしたら、フィルターに多量の埃がありました。
そして、その埃の色は赤。
理由はエアブラシで吹いた塗料のミストです。
恐らく、1/24 の車を組んだ時の赤色でしょう。
そんなに莫大な量は使っていませんが、ボディに何度か重ね塗りしています。
戦車などの場合は、薄めに吹くのですが車は別。
しっかりした塗りからの磨きなどがあるため、リスクは高まるという事になりましょうか。
エアコンだけではなく、口元の不織布マスクにも色が付きました。
1回の使い捨てにしていないため、しばらく使っていると色に気が付いたりします。
それだけ、多めに塗装したという証しですし、ミストの危険も教えてくれます。
研磨のミスト
ヤスリを使うと、プラスチックなどが削られます。
大きな削りカスは良いとして、細かいものは粉じんになる。
昨今流行りの?メラミンスポンジは、大量にマイクロプラスチックが出るそうです。
それ自体が細かくなるから、環境に悪いという指摘もあるようです。
研磨作業は、マスクを推奨します。
塗装のミスト同様に、粉じんやらPM2.5 的なものは吸わないに越したことありません。
特に冬場などは、乾燥しているから粉じんは出やすいですね。
ウエットティッシュや濡らしたウエスを常備したいところです。
追記
偉そうに書きましたが、一般的な注意としては妥当だと考えています。
臭いや粉じんなど、勘違いする人も多そうに思えたので一筆ということでした。
当方は、大学で化学系を少し齧っています。
また、就職先では塗料の製造等にも少し携わりました。
危険物免許(甲種危険物取扱主任者)も所持しています。
後は、趣味の模型歴や、仕事で模型の開発プロヂュースくらい。
ど素人が適当に書いているのではないと言いたいところですが、そんなに科学的でも統計的でもありません。悪しからず。