この数年位でしょうか、時々海底ケーブルの記事を目にしています。
昔は注目されることも無かったような気がするのだけど。
当方、以前海底ケーブルのメーカーに在籍しておりました。
故に中途半端な記事を見ると、”嘘だろう”とか”写真が違う”などと思う訳です。
丁度NHKの記事をちらっと見てきたところです。
普通の人は、海の底にケーブルがあるとは考えません。その点、意外性があって面白いのでしょう。また、インターネットを支える物でもあります。
一時期、海底ケーブルは軽視された時期があります。人工衛星で良いだろうという流れがあったからですね。
ケーブル内部には、光ファイバーが収容されています。6本くらい。
そこに光を通してデータを送るのですが、昔はMでした。今は、Tですね。テラ。
光ファイバーが進化したし、デバイスも進化しました。
昔のケーブルでも、デバイス交換でスペックは10倍なんてこともある。
一方で、かなり泥臭いというか土木な仕事でもあります。
敷設時は船で、全ルートをゆっくり走るのです。物理的にケーブルを落としながら。
素人に話をすると、海底にがっちりした基礎を作ってケーブルを格納するイメージを持たれることがありました。しかし、実態は全く違うのです。ただ、放置しているだけ。
もっとも、その位しか出来ませんけどね。
接続作業は大変です。船の上で2本のケーブルを接続する場合、天候が悪いと船が沈みます。
ケーブルは長く重量は相当なもの。それを船に引き上げたらどうなるか。海が平穏で、ゆっくり作業している時は良いですが、波でもあったら非常に危険です。
船の責任者は船長なので、危ないと危険回避します。しかし、ケーブルの作業者は繋ぐのが仕事なので、もう少し時間を稼いでくれと要望する訳です。見ていると冷や冷やします。
ちなみに危険回避とは、ケーブル切断を意味します。繋ぐ作業の途中であっても、切り落として逃げるという意味。
光ファイバーの接続は繊細ですが、それ以外は引っ張りに耐える金属体の処理が主務。平たく言えば建築現場の土木作業みたいなもの。
前者が模型の組み立て作業並みなら、後者は力仕事。両方熟すのは厳しいものです。
余裕があれば専属部隊を作るのでしょうが、現実は甘くありません。
今年のニュースだったと思いますが、台湾付近のケーブルが切断された話がありました。おそらく犯人は中国だろうとされています。
ケーブルを切るのは簡単と言えば簡単です。
通常は切られないように船に配慮を促しているので、逆に言えば危険地帯を告知している様なものです。大きな船で錨を下ろせば、事故は起きますね。意図的に
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